背骨をつなぎ、クッションの役目をしている椎間板は、線維輪と髄核でできていますが、その一部が押し出され神経を圧迫し痛みやしびれなどの症状が出ます。
また加齢などにより椎間板が変性し断裂して症状がでることもあります。
その症状は腰や臀部に痛みを感じ、下肢にしびれや痛みが放散したり足に力が入らず歩きにくくなるなどがあります。また場合によっては背骨が横に曲がることによって(疼痛性側弯)、動きにくくなり、重いものをもったりすると強い痛みを感じることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛の症状は、どの部分の椎間板が本来の位置から飛び出し、神経を圧迫しているかによって異なります。症状だけで原因を特定することはできませんので、症状がある場合は、一度は病院でMRI撮影することをお勧めします。
一般的に整形外科などの病院では、MRI撮影の他に、下肢の感覚が鈍くなっていないか、足の力が弱くなっていないかなどをチェックし、また下肢伸展挙上試験等で診断することが多いです。
あくまで簡易的ですが、ご自身で「足が上がるかどうか」のテストを行うことで椎間板ヘルニアの診断を行うことが出来ます。
まず仰向けの状態で、膝を伸ばしたまま片足を上げます。この程度の動作では通常は70度以上は軽く上がります。
腰椎椎間板ヘルニアがある場合は、20~30度上げただけで痛みがあり、それ以上は足が上がらない場合が多いです。ただし他の怪我の場合もありますのであくまで参考としてお試しください。
考えられる予防対策は、痛みが強い時期には、安静を心がけ、コルセットをつけたりします。また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロック(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する)を行い、痛みをやわらげます。腰を温めるのも良いでしょう。痛みが軽くなれば、牽引を行ったり運動療法を行うこともあります。